図録

久隅守景(くすみ もりかげ)

1600年代中ごろから1700年に生きた狩野派の絵師

去年の10、11月

サントリー美術館でこの絵師の展観が開催された

東京だったので、右の図録を今月半ばに注文

 

国宝の表紙絵は晩年、北陸金沢で過ごした時の作品らしい

夏のある農家の一コマ

女性が裸でいるのは絵の世界だからだろうと図録では解説

 

しかし、金沢郊外の農村集落は子供時代によく訪ねたところ

隣村まではそれなりに距離、道路も一本であとはあぜ道

今は様変わりしたけど、昔はそんな風景が広がっていた

村の真ん中でなければ誰にも見られない庭先はいくらでもあった

 

農家は塀のかわりに、何本もの木で囲っている程度だからその間から外が良く見える

そんな子供時代の記憶からすると、ひょっとして妻のこんな姿もあっかもしれない

夕飯の煮炊きも終わり、その暑さに解放されて、ほっとして夕涼みに加わったところか

そんなことを想像してしまう

 

家族が眺めているのは庭先に広がる、夕方に僅かに出てきた風に揺れる稲穂の田んぼだろうな

稲の実は何とも言えない米のような匂いを風に乗せる

そんな記憶もこの絵は思い出させてくれる好きな絵の一つ

 

この家族も同じ匂いを感じている気がする

視界の先の自分の田んぼを眺めて、豊作になりそうな充足感も味わっているように思える

男の太い腕と力強い背中の線が頼りがいのある印象を強めてるし、よりそう妻の半裸が見せるすごい安堵感

子供も同じ方向を眺めることで、家族の一体感がより強調されてる素晴らしい絵と思う

 

いつ見ても、自分の子供時代の記憶とも結びついて見入ってしまう